※本稿は「週刊新潮」2022年7月14日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。(文中敬称略)
官僚たちの評判はすこぶる良かった
「みんな、この日のことをよく憶えておけ。今日は東大法学部が敗北した日だ」
田中角栄が総理に就任したのは今からちょうど50年前の1972年7月6日のことですが、その当時、私は東京大学法学部の2年生でした。冒頭の言葉は、政治学の担当教授が授業で述べたものです。
明治以来、東大は近代日本の政治エリートを養成する役割を担ってきた自負があったのですが、田中内閣の誕生以降は全く違う政治が展開されていく。件の教授は「君たちは、これからそれを目の当たりにする幸運に恵まれた」と、嫌味を言ったのだと思います。……