政治

「田中角栄」が唱えた「日本列島改造論」の光と影

2026年5月1日


<span>「田中角栄」が唱えた「日本列島改造論」の光と影</span>
人心掌握に長けた田中角栄・元総理

 今から約50年前、高度経済成長期の日本は、令和の世とは比べものにならないほど“明るい未来”に希望を抱いていた。その夢を国民に振りまいたのは「今太閤」と呼ばれた一人の男だった。のちに世間から「闇将軍」と叩かれるまでの光と闇を、日本政治史研究の大家・御厨貴氏が振り返る。

※本稿は「週刊新潮」2022年7月14日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。(文中敬称略)

官僚たちの評判はすこぶる良かった

「みんな、この日のことをよく憶えておけ。今日は東大法学部が敗北した日だ」

 田中角栄が総理に就任したのは今からちょうど50年前の1972年7月6日のことですが、その当時、私は東京大学法学部の2年生でした。冒頭の言葉は、政治学の担当教授が授業で述べたものです。

 明治以来、東大は近代日本の政治エリートを養成する役割を担ってきた自負があったのですが、田中内閣の誕生以降は全く違う政治が展開されていく。件の教授は「君たちは、これからそれを目の当たりにする幸運に恵まれた」と、嫌味を言ったのだと思います。……

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