「財政不安」は本当に起きているのか
高市首相の「責任ある積極財政」には市場関係者などから批判の声が上がっています。その批判は概ね、物価高対策などの積極政策が財政不安を喚起し、長期金利の利上げや円安につながってさらに物価を押し上げてしまう、という内容です。しかし、この指摘は全くの誤りだと思います。
第一に財政不安を喚起すると言いますが、現実として日本の信用力は極端に低下しているわけではありません。その参考になるのがクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれるものです。
CDSは金融商品の一種で、国債が債務不履行に陥った場合の保険のようなものです。国債がデフォルトしてもCDSさえ払っておけば全額戻ってくるという商品なので、国の信用の指標にもなる。CDSはマーケットで取引されますので、誰かが意図的に上げたり下げたりできるものではないのですが、日本の国債のCDSは米国などに比べても非常に安い。つまり誰も日本の国債がデフォルトするなんて思っていないということです。
ここにきて日本国債CDSの5年物保証率は上昇傾向にありますが、それでも0.25%程度。米国国債CDSの5年物は0.31%程度ですから、米国の方がデフォルトに陥る可能性が高いと見られているわけです。……