医療・ウェルネス

瞬時の「答え探し」がもたらす発達への悪影響 スマホ認知症に陥らないための「脳メンテナンス」

2026年6月7日


<span>瞬時の「答え探し」がもたらす発達への悪影響 スマホ認知症に陥らないための「脳メンテナンス」</span>

 ここ数年、スマホの使い過ぎが原因で記憶障害などに陥る「スマホ認知症」患者が20〜30代を中心に急増している。隙間時間についやってしまう”スマホの見すぎ”は私たちの脳にどんな影響を及ぼしているのだろうか。「スマホ認知症外来」で多くの患者に接してきた金町駅前脳神経内科(東京都葛飾区金町)院長の内野勝行医師に語ってもらった。

スマホ依存を自覚する若者たち

 記憶障害を訴える患者さんがやたらと多くなったな、と最初に感じたのは10年ほど前のことです。患者さんの大半がデジタルデバイスとともに育った20~30代ということもあり、私は徐々にスマホの普及による行動変容が背景にあることを疑うようになりました。

 そしてコロナ禍以降、人々のスマホ依存度が高まる中でそれまで以上に「ここ最近、物忘れが激しくて仕事でも頻繁にミスをしてしまう」「ぼんやりしていることが多いとパートナーに指摘され心配になった」といった相談が急増したことから、当院ではオンラインを主とした「スマホ認知症外来」を開設したのです。

 その反響はなかなか大きく、数年経った現在もオンラインとリアルをあわせて毎日3~4人の若者から相談が寄せられています。特に最近では患者さんの側で「スマホの使いすぎが原因かも」と自覚しているケースが増えており、中には初診の際にご自身のスマホの使用状況に関するメモを持参する方もいます。オーストラリアやフランスで未成年のSNS使用制限が強化されるなど、世界的にスマホ依存が社会問題として認識される中、日本でも危機意識が広がっていることの表れだと思います。

 ただ、その危機意識はあくまで漠然と「スマホの使い過ぎは脳によくない」と多くの人がイメージしはじめているという程度のもので、それだけではいつまで経っても具体的な規制策にはつながらないでしょう。実際、国内では愛知県豊明市が2025年10月にスマホ使用の目安を「1日2時間以内(余暇時間)」とする全国初の条例を施行しましたが、罰則はなく生活習慣の改善を促す役割にとどまっています。……

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