※お二人の対談内容をもとに、編集・再構成を加えてあります。
多民族国家ロシアを束ねる「物語」
小泉 このYouTubeチャンネルでROLESのメンバーが書いた本を取り上げるシリーズをやりたいと思っていたところ、今回はちょうど西山さんが新著『現代ロシアの歴史認識論争:「大祖国戦争史観」をめぐるプーチン政権の思惑』を出されたということで、実は私も推薦文を書いているのですが、ぜひこの本を取り上げたいと思っております。
西山さんはもともと「ロシア愛国主義」をテーマに博士論文を書いていますけど、今回、歴史認識論争を取り上げたのは、どういう背景なんですか?
西山 愛国主義を構成する一つの要素として歴史認識があります。プーチン政権は独ソ戦=(ロシアで言う「大祖国戦争」)の記憶を称揚しているわけですけど、その戦勝の記憶をどうやって守っているのか。ロシアの歴史認識は色々な国から批判されていますので、自分たちの正当性をどう内外に向けて発信しているのか、そのメカニズムをこの本で明らかにしたいということで取り組みました。……