<span>ドル離れがもたらす「不安定な多極的通貨体制」で日本が備えるべき“プランB” </span>

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ドル離れがもたらす「不安定な多極的通貨体制」で日本が備えるべき“プランB”

2026年5月19日

世界のドル離れが進む中、アメリカが自ら覇権国としての座を降りるのなら、いずれドルは覇権通貨ではなくなっていく。しかしその先の多極的な通貨体制にもまた、不穏な空気が漂っている。世界が“無秩序”へと向かっていく中、日本が進むべき道とは何か。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏に、「世界経済の行く先」と「日本経済への処方箋」をきいた。

ドル離れによって崩壊する米国繁栄の「前提条件」

 アメリカの強権的な振る舞いを受けて、“静かなドル離れ”が既に進行しています。

 特に2022年のロシアの一部銀行に対するSWIFT(国際銀行間通信協会)からの追放は、「金融の核兵器」と呼ばれ、世界に衝撃を与えました。これにより、グローバルサウスや中東諸国は「自分たちもいつドルの決済網から締め出されるか分からない」という恐怖を抱き、代替資産や決済手段を模索し始めています。ロシアの前にはイランや北朝鮮に適用しましたが、米国は経済制裁のツールとしてドルの「武器化」を常態化させていて、諸外国は非ドル決済の実績を積み上げているようになっている。

 また、1970年代から続いてきたペトロダラー体制にも綻びが生じています。

 石油が主にドル建てで取引され、中東が受け取った代金を米長期国債で運用することを条件に、米国が中東の安全保障に責任を持つような体制がとられていたわけですが、2010年頃のシェール革命によってその前提が揺らいでしまった。アメリカが原油輸出国になったことで、中東の安全保障にコミットするメリットが希薄化してきたのです。

 それがまさに今回のイラン攻撃に表れています。

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