さる11月5日、歴代の大統領が参列するなか、コリン・パウエル将軍の葬儀がワシントンの大聖堂で執り行われた。10月18日、パウエル将軍(享年84)が亡くなり、アメリカは国民的英雄を失った。COVID-19による合併症だった。
生涯にわたって盟友だったリチャード・アーミテージ元国務副長官が別れの言葉を送った。大聖堂は稀代の英雄を失った悲しみに満ちつつも、その一生を讃える賞賛の思いも充満していた。しかし、それはまた、「失われたアメリカ」に思いを馳せる場でもあった。
パウエル将軍は、同時代の人でありながらも神話的存在で、いつまでも生きているような気がしていた。
ただ、10月上旬にアップロードされた長女リンダとの対話の動画を見ると、死期を予感していたように見えなくもない。自らの少年期を振り返りつつ、母校ニューヨーク市立大学のコリン・パウエル・スクールに通う学生たちの姿に自分の姿を重ね涙ぐむ英雄の姿は、時の残酷さではなく、むしろこの人が「良き人生(グッド・ライフ)」を歩んできたことを静かに物語っていた。……