安全保障を専門とする研究者や実務家にとって、2022年の焦点となるのは、年末に発表されると目されている、新たな国家安全保障戦略であろう。
2013年に策定された現行の国家安全保障戦略は、約10年前の安全保障環境を前提としているが、この10年の間に中国の台頭やミャンマーのクーデターなどにみられる民主主義の後退、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制の確立など、大きく変化しているため、新たな国家安全保障戦略を策定する必要はより高まっている。
そんな中で、新国家安全保障戦略に組み込まれていくとみられているのが、宇宙安全保障の問題である。
日本は長らく、宇宙開発は「もっぱら平和利用に限る」とする1969年の国会決議によって、宇宙と安全保障は切り離されてきた。そのため、防衛省・自衛隊は宇宙システムを用いない装備の開発や、部隊の編制を考えていかなければならなかった。……