肌に粟を生じさせる映像が、世界中を駆けめぐった。ウクライナ政府と欧米諸国は「ロシア軍がキーウ近郊で多数の市民を虐殺した」と非難している。第二次世界大戦中のオラドゥール・シュル・グラヌやバービーヤール、ベトナム戦争中のミライ、ボスニア内戦中のスレブレニツァを想起させる惨劇が、再び起きた。
キーウの北西25キロメートルのブチャ(人口約2万4000人)は、3月上旬からロシア軍に占領されたが、3月下旬にウクライナ軍が奪回した。
4月1日に同市に入ったウクライナ軍の国土防衛隊員たちは、道路のあちこちに住民の遺体が横たわっているのを見た。彼らの車両は、路上の遺体を避けて走らなくてはならなかった。一部の住民は手を背中の後ろで縛られており、後頭部を銃弾で撃ち抜かれていた。国土防衛隊のオレクサンドル・ポーレビスキ氏は「遺体は数日前から放置されていたと見られ、町には死臭が漂っていた」と証言している。
ある家族の遺体は、一カ所にまとめて遺棄されていた。妻と息子の身体の一部が、土から突き出ている。夫の遺体は土管の中に捨てられており、裸の上半身には拷問を受けた跡のような傷があった。……