サル痘が流行している。7月28日、世界保健機関(WHO)は、78カ国で合計1万8000人を超える感染者が確認されたと発表した。大半が欧州だが、我が国でも7月28日現在、2名の感染が確認されている。7月23日、WHOはサル痘の感染拡大を、最大警戒水準の緊急事態であるPublic Health Emergency of International Concern (PHEIC)に相当すると認定した。
順調に進む治療薬・ワクチンの手配
サル痘の研究の進展は急速だ。7月21日、英国の研究者たちは、4月27日~6月24日までに16カ国43カ所で診断されたサル痘感染者528人の臨床経過をまとめた研究を米『ニューイングランド医学誌』オンライン版で発表した。
この研究によれば、98%が同性愛か両性愛の男性で、75%は白人、41%がHIVに感染していた。感染者の年齢中央値は38歳で、ほとんどが性交渉で感染したと考えられた。
臨床症状は、これまでに報告されていたものとは違っていた。従来、サル痘は感染後1~2週間の潜伏期を経て発熱・悪寒・リンパ節腫脹などで発症し、その後、水疱などの発疹が生じ、2~4週間で自然治癒した。ところが今回の流行では、発熱は顕著でなく、95%の感染者は発疹で医療機関を受診し、73%は肛門や性器に病変を認めた。リンパ節腫脹が確認されたのは56%だった。87%の感染者が入院したが、全例が回復した。32人中29人で、精液からサル痘ウイルスが確認されており、性交渉による感染の可能性を支持した。なぜ、 従来と今回の流行の臨床像が異なるか、その理由はわかっていない。……