2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻から一年が過ぎた。この戦争をどのように捉えればよいのか。ヨーロッパの安全保障を専門とし、新著『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書)を刊行した鶴岡路人氏が、英国外交史と国際政治が専門の細谷雄一氏とともに一年を振り返り、日本人に見えにくい「欧州」という視座から戦争の全体像に迫る。
***
ウクライナ存続は必然ではなかった
細谷雄一 2022年2月24日の、ロシアによるウクライナへの侵攻から一年を迎えました。一年を振り返って、この戦争をどう位置づければよいか。今のお考えはいかがですか。
鶴岡路人 この一年は、ウクライナが抵抗をし続けたということですね。やはりそれが非常に大きかったので、今日の姿になっている。逆に言えば、今日のような姿になっていなかった可能性も十分にあったと考えるべきだと思うんです。……