8月5日から6日にサウジアラビアのジェッダで開催されたウクライナ和平会合は、G7・EU(欧州連合)諸国とグローバル・サウスを結びつけることができるサウジアラビアの外交力を示す格好の場となった。
各国の国家安全保障顧問級を集めたウクライナ和平会合は、6月24日にデンマークのコペンハーゲンで開催されて以来、二度目の実施となる。コペンハーゲン会合においても今回のジェッダ会合においても、昨年11月にウクライナが提案した「平和の公式(ピース・フォーミュラ)」10項目について議論が行われている。ウクライナの領土一体性の回復やロシア軍の撤退などを盛り込んだ「平和の公式」は、現在ウクライナが世界各国からの支持を取り付けるべく全力で取り組んでいる外交目標であるが、G7やEU諸国以外からの認知や支持は十分に得られていない。コペンハーゲン会合においても参加国はG7、EU諸国を中心に、ブラジル、インド、南アフリカ、サウジアラビア、トルコ等のG20諸国の一部に限られていた。
ところが今回のジェッダ会合では参加国が大きく拡大し、40カ国と3組織(欧州委員会、欧州理事会、国連)が参加している。前回の参加国に加え、UAE(アラブ首長国連邦)やエジプト、カタールといった中東諸国、アルゼンチン、チリといった南米諸国も代表を派遣しており、顔触れが一気に多様になった。
特に、中国が今回の会合に参加したことはウクライナにとって外交的勝利であったと見られている。中国はコペンハーゲン会合には招待されたものの出席を見送っているが、ジェッダ会合には李輝ユーラシア事務特別代表を派遣している。会合に参加した欧州の外交官によると中国は建設的に振る舞っており、ロシアとの違いを示そうとしていたという。会合では各国の立場の違いもあり、成果文書こそ発表されなかったが、同様の会合を継続していくことで概ね合意したようだ。欧米諸国としては、中国が会合に出席するだけでもロシアの孤立化は進んでいくと考えており、中国の参加が得られたことを高く評価している。……