医療・ウェルネス

「超高齢社会の被災者支援」という能登半島地震が突き付けた難題

2024年2月2日

阪神・淡路大震災や東日本大震災の当時と比べ、日本の高齢化率は著しく上昇した。高齢被災者に対する支援は、いわばこの社会が新たに抱えた難題だ。在宅医療、訪問看護、訪問介護といった自宅がベースの高齢者向けサービスは災害時には停止する。そして緊急避難が終わり長い復興期が始まれば、こうした民間頼みのサービスに公的支援は存在しない。医師・看護師の有志が支援のために年休を取るような医療界の硬直した制度運用も被災地の人手不足を深刻にしている。

 能登半島地震が発生してから、1カ月が経過した。240人が亡くなり(2月1日現在)、大勢が避難生活を送っている。

「避難先の高齢者をどう支える」(1月29日読売新聞社説)のように、マスコミは連日、被災者支援のあり方を論じている。このような議論の前提にあるのは、「被災者支援は国の仕事」という考え方だ。

 災害対応で国の果たす役割が大きいことは議論の余地がない。国民の命を守ることは、国の責務だ。ただ、だからと言って、国に依存し、思考停止することは危険だ。それは、我が国が、人類史上初の超高齢社会に突入しているからだ。

 能登半島は、特に高齢化が進んだ地域だ。このような状況での被災者支援の方法は確立していない。そうなれば、試行錯誤を繰り返すしかないが、これこそ国が不得意とする領域だ。本稿では超高齢社会における被災者支援のあり方について論じたい。……

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