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【KCS|ROLES特別公開フォーラム】無極化する世界はどこへ行くのか―ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス戦争の行方―(1)

2024年2月26日


<span>【KCS|ROLES特別公開フォーラム】無極化する世界はどこへ行くのか―ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス戦争の行方―(1)</span>

冷戦後の時代を形作ったアメリカの「一極」構造が揺らぐいま、その圧倒的な力に隠されてきた地域のロジックが表出している。こうした新しい国際政治のダイナミズムを前にして、世界の平和や安定はどのように維持され得るか。大学が果たすべきシンクタンク機能を追求しながら積極的な提言を行う慶應戦略構想センター(KCS)と東大先端研創発戦略研究オープンラボ(ROLES)が共催した特別公開フォーラムの白熱の議論を、フォーサイト連携企画「無極化する世界と日本の生存戦略」「ROLES Cast」スピンオフとしてお届けする。

※2023年12月6日開催の講演内容をもとに、編集・再構成を加えてあります

「二極」「単極」よりも不安定な時代に

細谷雄一 慶應義塾大学法学部教授で慶應戦略構想センター(KCS)センター長の細谷と申します。本日は「無極化する世界はどこへ行くのか ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス戦争の行方」ということで、ウクライナ戦争については東京大学先端科学技術研究センターからロシアの軍事がご専門の小泉さん、イスラエル・ハマス戦争については同じく東大先端研の池内さん、慶應大学から田中さん。そしてアメリカの軍事・外交政策がご専門の慶應大学の森さんにご参加いただきました。ウクライナについてもイスラエル・ハマスについても、世界最大の軍事・経済大国であるアメリカがどのような行動をとるかが極めて大きな意味を持ちますので、二つの地域とあわせてアメリカを見ることはとても重要だと考えております。

細谷雄一氏

 東大先端研のシンクタンクROLES(東大先端研創発戦略研究オープンラボ、代表:池内恵教授)とKCS、この二つの大学内シンクタンクが共催するシンポジウムは、初回を2023年6月10日に東大駒場リサーチキャンパスで行いました。「大学発・外交安全保障シンクタンクの挑戦:東大先端研ROLESと慶應KGRIの競争と協業」といったタイトルのもと、私と森さんで東大にお邪魔し、池内さんと小泉さんと4人で議論しました。今回は2度目の企画ということになります。

 冷戦時代に二極化した世界が、ソ連が崩壊してアメリカ一極、つまり単極時代になりました。冷戦の終結当時、アメリカは世界の半分以上の軍事力を持つ圧倒的な存在でした。ところがイラク戦争、アフガニスタン戦争で挫折をし、そして中東での影響力は大きく後退している。そして中国が台頭している。アメリカ単極の時代が終わり、今はそれぞれの地域で独自のメカニズムが蠢いている。ロシアがウクライナに侵攻し、また中東ではパレスチナの中のハマスがイスラエルに攻撃を仕掛け、紛争に発展している。それぞれの地域で、冷戦構造あるいはアメリカの圧倒的な軍事力で隠されていた地域のロジックが表出し、新しい政治のダイナミズムを作り出しています。あるいは新しい不安定を作り出しています。……

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