政治

トルコ・シリア大地震被災者キャンプで会った国際政治に翻弄される子どもたち

2024年11月12日


<span>トルコ・シリア大地震被災者キャンプで会った国際政治に翻弄される子どもたち</span>
小さい時にシリア内戦を逃れ今回また被災した子どもたちは、「何も自分のものを持っていない」と現地スタッフは語った。ハサミの使い方も、喧嘩した時にその刃先を人に向けてはいけないことも、避難生活の中では知る機会を得られない。心のケアは大きな課題だ(2024年10月に筆者撮影、以下すべて)

 サラリーマンを卒業してから、国際人道支援NGOピースウィンズの「見習い」を始めた。ウクライナ戦争とトルコ・シリア大地震の支援チームの一員として、去年はウクライナとモルドバの支援現場を見る機会があった。今年は大地震から1年9カ月になるシリア国境に近いトルコの支援現場を見せてもらった。

 ピースウィンズは、大地震で被災したトルコ人への支援に加えて、紛争を逃れて暮らしていたトルコで地震にあったシリア難民への支援活動も行っている。紛争と災害という二重の苦難に見舞われた人々の実相を知り得た範囲で伝えたい。

同じ没年月日の墓標がつづく共同墓地

 共同墓地には見たことのない光景が広がっていた。延々と立ち並ぶ墓標には同じ没年月日が刻まれている。2023年2月6日。そこは、トルコとシリアの国境地帯を襲ったマグニチュード7.8のトルコ史上最大規模の地震で命を落とした人々の共同墓地だった。

 5万人が犠牲になる地震とはどういうことなのか、規模が大きすぎて理解できていなかったが、このとき初めて実感として受け止めることができた。生後半年の双子の墓標にはおもちゃが供えられ、少女たちの墓標にはブラウスやスカーフがかけてあった。よく見ると誕生日が1月1日と記されているものが数多くある。亡くなった人を知る者が生存しておらず正確な誕生日がわからなかったのかもしれない。墓標がなく、数字が書かれた木の札が立ててあるだけの墓も少なからずある。まだ身元が判明しない人の墓だという。……

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