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Vol. 2

元社員が明かす「キーエンス」な日常 特殊すぎる「入社試験」「研修」「社員の1日」

2026年5月21日


<span>元社員が明かす「キーエンス」な日常 特殊すぎる「入社試験」「研修」「社員の1日」</span>
外勤日は1日5件の商談をこなす(mapo_japan/shutterstock.com)

 無駄を排除して生産性を上げたい――。そう望む多くの企業のモデルになるのは間違いないが、マネするのは容易ではなかろう。平均年収2000万円超えの高収益企業・キーエンス。社員の働き方を極限まで合理化・効率化する驚くべきシステムの実態を読み解く。

 ※本稿は「週刊新潮」2026年3月19日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。

「考えすぎて手が止まってしまう人間」はいらない

「キーエンスOBたちは、古巣のことを自虐的に“明るい北朝鮮”と呼びます」

 そう話すのは、キーエンスOBの一人である。

「キーエンスは良い意味でも悪い意味でも北朝鮮のような組織です。一度脱北(脱出)してみれば、あの徹底した統制がどれほど異常で、かつ強力だったかが分かります。ただし、宗教に例えるなら北朝鮮の教祖は金正恩氏ですが、キーエンスにおける教祖は創業者の滝崎武光名誉会長ではなく、キーエンスの“仕組み”そのものなのです」

 単に良い商品を売るだけではなく、顧客企業の価値・利益を増やす。そのために徹底的に無駄を排除する。前号でお伝えした通り、それがキーエンスのビジネスモデルの根幹である。社員の働き方は極限まで合理化・効率化され、キーエンスという「仕組み」の歯車となることを求められる。

 キーエンスOBで、営業領域のコンサルティングを手掛ける「Grand Central」代表取締役CEOの北口拓実氏が語る。

「キーエンスには、活躍する人間の明確なペルソナが存在します。彼らが求めているのは頭でっかちな秀才ではなく、理屈抜きで目の前のルーティン作業をハイボリュームでやり切れるスタミナを持った人間です」

 社内にはMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)や関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)の出身者が多いという。

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