政治

「グリーンランド問題」の傷跡:欧州は「米国がいなくなる日」に備え始めた(下)/デンマーク国際問題研究所インタビュー

2026年2月11日


<span>「グリーンランド問題」の傷跡:欧州は「米国がいなくなる日」に備え始めた(下)/デンマーク国際問題研究所インタビュー</span>

グリーンランドの主権を要求したトランプ政権への不信は、欧州と米国の同盟関係に深い傷跡を残している。オレセン主任研究員はデンマークが完全に親米路線をやめるわけではないとしつつも、「米国は『根本的に信頼できない国』だと暴露された」と強調した。ある日、突然に外交・安保体制の「プランB」を迫られる――それは日本にとっても現実のリスクだ。【聞き手/国末憲人・東京大学先端科学技術研究センター特任教授、本誌特別編集委員】

 

一部の土地でも「主権の譲渡」には合意できない

 ――その後、NATO事務総長のマルク・ルッテが1月21日にトランプと会談しましたが、ここで「将来の合意の枠組みをつくった」とトランプは言っています。『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「デンマークがグリーンランドの一部の土地の主権を米国に譲り、米国はそこに基地を建設する」との構想が検討されたとも報じています2。そのような取引があり得るのでしょうか。

「ルッテがトランプに『グリーンランドの一部を買って主権を得ていい』などと約束することはあり得ません。ルッテは仲介役であり、レッドライン(越えてはならない一線)を認識したうえで動いていたはずですから。では何らかの『合意の枠組み』があるのか。おそらくありません。トランプが言う『合意の枠組み』は、たいていの場合雑談レベルの話をそう呼んでいるに過ぎません」

 ――つまり、それはトランプ側がそう思い込んでいるだけだと。……

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