政治

独裁者はなぜ間違えるのか?――「バカだから」では説明できない毛沢東・習近平の判断ミス

2024年10月10日

中国共産党の秘密主義は国家機密の定義が非常に曖昧かつ広範なのが特徴だ[2024年3月5日、北京で開幕した全人代で政府報告を聞く習近平総書記=中国・北京](C)XC2000/shutterstock.com

「あいつはバカだからさ」

 こうしたストレートな習近平総書記批判を耳にする機会が増えた。コロナ対策では爆発的な感染拡大が起きた後、もう止められないと“誰もが”わかっていたはずなのに、何カ月もゼロコロナ対策に固執した。あるいは足元の不動産危機と経済低迷では大規模な景気対策が必要だと“誰もが”わかっていたはずなのに小出しの対策で時間を浪費してしまった……となると、悪態の一つもつきたくなるのだろう。

 しかし、熾烈な権力闘争を勝ち抜いて中国のトップの座を勝ち取った人物が本当に「バカ」なのだろうか。

 もう少し、もっともらしい説明を持ち出すならば、「独裁者のジレンマ」という話になろうか。強力な権力を持つ独裁者に対し、部下たちは忖度して耳あたりの良い話しか報告しようとしない。その結果、独裁者は裸の王様となり、現実を理解できない。ゆえに正しい政策を採れないというものだ。選挙や世論調査、あるいは言論の自由で意見の発信が保障された民主主義国家ではありえない、独裁国家の脆弱性だ。……

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