中国の序列4位・王滬寧が訪朝、金正恩と突っ込んだ意見交換の可能性
7月12日、朝中友好協力相互援助条約締結65周年を記念して10日から北京を訪れていた北朝鮮の党・政府代表団(団長:朴泰成(パク・テソン)内閣総理)が専用機で帰国した。朴泰成は、中国共産党の序列第1位である習近平総書記・国家主席と会談を行ったほか、第2位の李強・国務院総理、第3位の趙楽際・全国人民代表大会常務委員長、第5位の蔡奇・党中央弁公庁主任ともそれぞれ面会していた。
15日から17日にかけては、中国共産党序列第4位の王滬寧(おう・こねい)・人民政治協商会議全国委員会主席を団長とする中国の党・政府代表団が北朝鮮を公式親善訪問し、『労働新聞』はその動向を逐一報道した。代表団は、15日に平壌(ピョンヤン)に到着後、中国人民志願軍の朝鮮戦争参戦を記念した友誼塔を訪れたほか、平壌議事堂で趙甬元(チョ・ヨンウォン)朝鮮労働党中央委員会書記・組織指導部長と会談を行った。
16日には、金正恩(キム・ジョンウン)との会談が行われた。金正恩は、朝中条約が「両国関係の戦略的性格を定義し、戦略的方向を提示する国家間条約であり、朝中両国の根本利益を守り、地域と世界の平和と安全を保障する上で重要な役割を果たしている」と述べ、両国関係を発展させていく意志を再確認した。また、「新時代の中国の特色ある社会主義偉業を変わることなく支持、声援する」と確言した。
朝中関係における非公表の原則は相変わらずで、より具体的な会談内容は今回も明らかにされなかったが、記事に添えられた写真からは率直で突っ込んだ意見交換が行われた可能性を見て取れる。中国側は王滬寧を含めて9人が着席した一方、北朝鮮側は金正恩の後ろに通訳を陪席させただけであったからである。しかも中国側はさらに後ろのテーブルに相当数の随行員が着席していたことから、あたかも金正恩が国内会議で部下たちを指導しているかのような構図となった。ここまで極端な配列は珍しい。会談場所は報じられなかったが、17日の中国の新華社報道では「平壌で」会談が行われたことが明記された。
16日に代表団は、錦繍山(クムスサン)太陽宮殿、朝鮮労働党中央幹部学校、中国人民志願軍烈士陵園を訪れている。65周年の記念宴は羊角島(ヤンガクド)国際ホテルで催され、北朝鮮側からは朴泰成内閣総理が演説を行った。
17日、代表団は元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区を参観した。北朝鮮側から趙甬元や金成男(キム・ソンナム)党中央委員会書記・国際部長が同行した。王滬寧が同観光地区を「朝鮮労働党の人民大衆第一主義思想の具現であり発現」だと評価したことが紹介された。同代表団は、江原(カンウォン)道の党委員会による午餐に招かれた後、元山葛麻空港から帰国の途に就いた。
「元山葛麻」は中国人観光客を呼び込めるか
各国からの訪朝団がどこを訪れたかを整理することは、北朝鮮側が何を見せたいかを把握する作業になる。13日からベラルーシ共産党代表団(団長:セルゲイ・シランコフ党中央委員会第1書記)も北朝鮮を訪れており、金日成(キム・イルソン)主席の生家である万景台(マンギョンデ)のほか、主体(チュチェ)思想塔、朝鮮労働党中央幹部学校、平壌総合病院、解放塔に加えて、やはり元山葛麻海岸観光地区を訪れたことが報じられた。短期間の訪朝日程であっても国外からの代表団が元山葛麻に誘導されていることが分かる。