医療・ウェルネス

ワクチン接種“先進国”イスラエル、現地で見えた2つの問題点

2021年4月28日


<span>ワクチン接種“先進国”イスラエル、現地で見えた2つの問題点</span>
マスク着用義務解除後のエルサレム市街(マハネ・イェフダ市場=筆者提供)

イスラエルの新型コロナウイルスワクチン接種件数が順調に伸びている。昨年末に接種が開始されて以降、この4カ月で532万人(イスラエルの人口929万人の6割弱に相当)が2回の接種を完了。新規感染者の減少に伴い、屋外でのマスク着用義務は解除され、レストランの屋内営業も再開した。5月には外国人観光客への国境開放との噂もある。しかし一方で、社会全体が“戦時”から平時に戻りつつある今、新たな問題点も見えてきた。

 本稿では、イスラエルでワクチン接種も体験した筆者が、コロナ対策先進国とされる同国の足元で起こりつつある問題についてレポートする。

 イスラエルにおいて短期間でワクチン接種が進んだ理由は何か。まず、ワクチン入手方法が徹底していた。特務機関モサドが、初期の段階で世界のワクチンを搔き集めたという報道もなされた。さらに、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はワクチン製造会社ファイザー社のユダヤ人社長と計17回の会議を行い、世界最速でワクチン供給を可能にした実績をアピールしている。

 また、筆者はイスラエルならではの2つの事情が良い方向に働いたと思っている。

 一つ目はIT化だ。イスラエルでは保険会社ごとにサイトが設けられており、インターネット上でワクチン接種を予約する形式をとる。イスラエル国民はほぼ全員保険に加入しているので、個人とワクチン接種データの紐づけが比較的容易である。そのため、現在はどこの病院に行ってもすぐにワクチンを受けることができる(イスラエルでは現時点で、16歳未満の子供を除く全員がワクチンを接種する権利を持つ。まもなく、12歳以上に拡大される見込み)。……

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