医療・ウェルネス

ワクチン打てぬまま診察か――コロナ「第4波」に丸腰で臨む医療現場で悲鳴続出

2021年4月29日

高齢者への接種開始が喧伝される一方で、医療従事者の接種はまったく進んでいないという現実。なぜ最優先のはずの現場が「丸腰」なのか。ワクチン供給不足以上に深刻なのは、旧日本軍ばりにロジスティクス軽視の国の姿勢だ。

「丸腰で戦えということですね」――4月中旬、新型コロナウイルスの感染が爆発的に増えていた関西の中規模民間病院の医師はこうボヤいた。自治体からは新型コロナ患者の受け入れを要請されているが、一方で、医師や看護師を守るワクチンは届いていなかった。480万人にのぼる医療従事者へのワクチン接種が始まったのは2月17日。それから2カ月が経った4月16日時点で、1回目の接種が終わった人は119万8346人。2回の接種が完了した人は71万8396人と、全体の約15%に過ぎなかった。

 大阪では4月13日に新たな感染者確認が1日1000人を初めて突破、「第4波」の到来が深刻さを増していた。4月から「まん延防止等重点措置」が適用されていたが、大阪の感染者は減らなかった。病床があっという間に埋まっていく中で、医療従事者は臨戦態勢を余儀なくされたが、ワクチンはなかなか届かない。一方でテレビニュースは高齢者接種が4月12日から始まったことを伝えていた。

「ワクチン接種の済んだ高齢者を、ワクチンを打っていない医者が診察するというのは、ジョークではないか」

 首都圏の病院でもそんな声が聞かれた。首都圏のある市では、高齢者用に配布されたワクチンを医療従事者への接種に回すことにした。病院からの苦情に耐えられなくなったからだ。……

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する