経済・ビジネス

「日本版ライドシェア」は本当にタクシー不足の特効薬か? 実は「地域格差」悪化の懸念も

2024年7月17日


<span>「日本版ライドシェア」は本当にタクシー不足の特効薬か? 実は「地域格差」悪化の懸念も</span>
旗振り役の河野太郎氏 (C)新潮社

 タクシー不足を解消するため、この春から地域や運行時間を限定して「日本版ライドシェア」が始まった。タクシー事業者以外の会社も参入できる「全面解禁」に進むかが焦点だが、ここにはタクシー業界が試行錯誤を繰り返してきた需要と供給の調整が、さらに難しくなる懸念もある。いま空車で捕まらない朝の住宅街などでは、必ずしも事態が改善するとは限らない。一筋縄ではいかない現状を業界に詳しいノンフィクションライターの栗田シメイ氏が取材した。

「トラブルが多い歌舞伎町は選ばない」

 まだ梅雨の訪れぬ6月中旬、金曜日の深夜1時過ぎだった。新宿・歌舞伎町の靖国通り沿いに新設されたタクシー乗り場では、30人近い人々が列を成し、40分ほど待っても列はほとんど進む気配がない。待ち兼ねて配車アプリを利用するも、到着までの待ち時間は30分以上と表示された。千鳥足の乗客が列に横入りし、苛立つ待ち人との間でちょっとした小競り合いまで起きはじめた。

 そんな様子を傍目に、派手な柄物のシャツを身に纏った男性が「遠距離であれば安く乗せるよ。領収書も出せるから」とタクシーを待つスーツ姿の男性グループに声をかけると、彼らは雑踏の中に消えていった――。人目につく新宿の地でも“隙間”を狙った白タク行為が平然と行われていることに驚かされる。ようやく順番が来てタクシーに乗り込むと、ドライバーは開口一番にこう言うのだった。

「今日は金曜日にしてはまだ待ち時間は少ないほうですよ。我々もアプリが鳴ったとて、わざわざ酔客やトラブルが多い歌舞伎町を選ばないですから」……

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