※本稿は「週刊新潮」2019年5月2日/9日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。(文中敬称略)
人生観が色濃く表れる「伴侶の話」
たしかに世知辛い世の中である。リップサービスすれば炎上し、居場所を明かせばストーカーに付きまとわれる。だから、芸能人の面々が我々の取材に、メールやFAXでのやり取りだけで済ませたがる気持ちは、わからないではない。
だが、2018年9月15日、彼岸へと渡っていった女優の樹木希林(享年75)は、昔かたぎの姿勢を最後まで変えなかった。時間が許すかぎり、訪ねた本誌記者を受け入れ、含蓄のある言葉を並べてくれたのである。
諧謔(かいぎゃく)を交えながら語られた言葉の数々は、まさに達観であり、そのまま人生訓だった。全体で10時間にも及んだその語りを、厳選して庫出しするが、なかでも樹木の人生観が色濃く表れるのは、伴侶に絡む話だった。……