政治

【再掲】トランプ「米国本位」関税が狙う「スミソニアン2.0」の大調整

2025年12月15日


<span>【再掲】トランプ「米国本位」関税が狙う「スミソニアン2.0」の大調整</span>

「相互」と称するものの「米国本位」な関税で、トランプ政権が追求するのはスミソニアン合意にも比肩しうる経済・通貨・貿易体制の大調整だ。冷戦下で体力の低下した米国の負担を日欧がドル切り下げで肩代わりしたのが1971年、2025年版の「2.0」は手っ取り早く関税を手段にした。日本企業に輸出コストを負担する動きが広がるかもしれないが、それはアメリカに関税への麻薬的依存を一層深めさせる可能性も。 ※2025年4月6日公開の記事を再掲します

 米国解放の日。ドナルド・トランプ大統領が全世界に打ち出した「相互関税」に、各国政治家、行政担当者、企業経営者そして市場参加者は蜂の巣をつついた大騒ぎになっている。予想をはるかに上回る高関税。4月2日のホワイトハウス・ローズガーデンでの発表が4月3日のマーケットを直撃した。

出所:The White HouseのXへの投稿より 拡大画像表示

 相互関税は相手国・地域が米国にかけている関税を、米国もかけ返すということだ。トランプ政権の発表によれば、日本は米国に対して、非関税障壁も含めて46%の関税をかけている。従って日本に対してかけ返す関税は、税率を約半分に割り引いて24%。倍返しはなく半分返しなので「温情だ」というのだが、悪い冗談はやめてくれ。24%という想定外の高関税は石破茂政権を直撃した。「除外を求める」と繰り返すが、とうてい埒が明かない。

「貿易赤字÷輸入額=相互関税率」の理屈を少し詳しく

 46%はどこかで聞いた数字だ。「くっきりとした姿が浮かんできたわけではない。おぼろげながら浮かんできたんです。46%という数字が」。2021年4月23日にニュース番組に出演した小泉進次郎環境相(当時)は、30年度の温室効果ガス排出を13年度比で46%削減する政府目標について根拠を問われ、「おぼろげながら」と答えた。

 今回の46%。実際の日本の平均関税率は3.7%と、米国の3.3%と並ぶ低水準。たとえ非関税障壁を加えても46%などというのは無茶苦茶だという声が木霊した。ならばトランプ政権は「おぼろげながら浮かんできた」数字を各国・地域に吹っ掛けたのだろうか。そうではない。「くっきりとした」シンプルな計算式を、米通商代表部(USTR)が示している。……

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