政治

「国力研究会」は“高市グループ”になるか――見え隠れする「麻生太郎」の深謀

2026年5月19日


<span>「国力研究会」は“高市グループ”になるか――見え隠れする「麻生太郎」の深謀</span>
それぞれの思惑とは…

〈高市支持グループ発足へ〉――事実上の“高市グループ”旗揚げともとれる動きはいかにして生まれたのか。政治ジャーナリストの青山和弘氏が解説する。

高市総理が「作って欲しい」と言ったわけではない?

 総選挙が終わって、自民党内の動きが慌ただしくなってきました。「派閥の復活」とまでは言えなくても、武田良太さんが「総合安全保障研究会」、石井準一さんが「自民党参議院クラブ」を設立するなど、議員の囲い込みが始まりました。

 高市さんはこうした動きを気にしていました。今までも、緩やかに総理を支える会はあるにはあった。ですが、党との連携不足が指摘される中で木原稔官房長官は「派閥横断的な大きなものを作りたい」というようなことを言っていたんです。「高市さんが孤立している」と報道も相次いでいたし、党内基盤を持っておいた方がいい、という思いもあったのでしょう。

 そんなとき、同じ思いを持っていた高市総理側近の山田宏さんが麻生さんのところに、相談に行ったわけです。「麻生さんを中心としたグループ作りたい」と持ち掛けられた麻生太郎副総裁当人も、「高市は総理だから、メンバーを固定しないで、幅広いものを作ろう」と応じたといいます。

 例えば、総理の考えに近い、「積極財政」「憲法改正」などといったテーマにこだわるのではなく、もっと幅広い視点で勉強会を開くことを目指した。
 
 山田さんは一応、麻生さんに話をする前、高市さん、木原さんにも相談して、「やりましょう」となった、と聞いています。この点、別に高市さんが「作って欲しい」と言ったわけではないようですね。あくまでも、話を持ち掛けたところ、「あら、それは良いわね」となった。


 こうした組織を作るにあたって、「高市支持」で排他的にしすぎると、大きく人は集まりません。しかし、今回のような参加自由な勉強会の形にすると、麻生さんだってそもそも別派閥のドンだから、参加しやすくなります。派閥よりももっと大きい高市総理を支える「主流派」みたいなものを作る、という構想だったようです。そして、これは麻生さんにとっても党内での影響力を増すことに繋がります。

 だから、「幅広いものを」という意識で、発起人も様々な人を集めたわけです。とはいえ、やはり“麻生色”が強く出る形になりましたよね。麻生さんと相談していく中で、仲の悪い林芳正さん、武田さんは排除されました。あとは、麻生さんが好きじゃない木原誠二もそうです。岸田文雄元首相に関しては、麻生さんも嫌いではないけど、自民党内の総理経験者で最も影響力を持つのは麻生さんだとはっきりさせる意味でも発起人には誘われなかった。

 対して、小泉進次郎さんや小林鷹之さんは発起人に入っていますよね。林さんたちは入らず、このメンバーは入っている、という点を見ても、高市さんの意向よりも“麻生色”が強いことは分かると思います。万が一の“ポスト高市”でも影響力を保持して、永久主流派体制を作る。「麻生さんが気持ち良く」ということが意識されているとしか思えません。

 その一方で、議連が目指す方向が不透明ですよね。「こういう政策を勉強しましょう」という指針もない。あるのは「今求められているのは現実的な政府と与党の連携だ」として高市政権を支えるということだけ。初回はジョージ・グラス駐日米国大使を呼ぶからいいんでしょうけど、2回目以降、一体誰を呼んで、どういう方向に行くのかは不透明だし難しいと思います。

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