学校改革にしのぎを削る中堅校
昨今、中学受験率が高まり、受験戦争が過熱していると言われています。しかし、いわゆる最難関校の受験者数はほぼ横ばい、もしくは年度によっては微増または微減しているのが実情です。ある年に受験者数が増えても翌年には減っての繰り返しで、最難関校の入試の難易度もほぼ変わっていません。
中学受験率を押し上げているのは、これまであまり名前が挙がらなかった、いわゆる中堅校と言われる学校です。首都圏なら埼玉栄(埼玉県さいたま市)、昭和学院(千葉県市川市)、神奈川学園(神奈川県横浜市)、東京都内だと桜丘(北区)、安田学園(墨田区)、文教大学付属(品川区)といった学校が数字を伸ばしています。いずれも4〜5年前には受験者を集めるのに苦労していた学校の人気が高まっているのです。
こうした中堅校の人気の要因のひとつが、学校改革です。もっともわかりやすいのが新たに有名大学の附属校・系属校に入るケースで、中央大学が横浜山手女子(神奈川県横浜市)、青山学院が横浜英和女学院(神奈川県横浜市)や浦和ルーテル学院(埼玉県さいたま市)、順天堂大学が宝仙学園共学部理数インター(東京都中野区)を系属校にしました。今年も明治大学が日本学園(東京都世田谷区)を係属校にし、北里研究所と順天学園が法人合併して北里大学附属順天(東京都北区)に変わりました。このように有名大学の系属校や附属校になることで、一気に人気になる中学校が毎年話題になっています。また、インターナショナルコースの設置や探究学習とICT(情報通信技術)活用などを推進し、「新しい教育を行う先進的な学校」としてのリブランディングによって受験者数と偏差値を飛躍的に伸ばしている学校も多く、渋谷教育学園渋谷(東京都渋谷区)や広尾学園(東京都港区)、広尾学園小石川(東京都文京区)や三田国際科学学園(東京都世田谷区)などがその代表格です。
学校改革が加速する中、保護者の学校選びにおける価値観や考え方も多様化しています。例えば将来、海外の大学に進学したいとお考えの方であれば、御三家を射程範囲にできる実力があっても、ネイティブの先生がたくさんいたり、英語力の高い帰国生がたくさん集まったりする学校を選択するケースも多々あります。