カルチャー

安禄山――「逆臣」か「聖人」か(上)

2021年6月12日


<span>安禄山――「逆臣」か「聖人」か(上)</span>
帝位についた稀代の女傑・則天武后(左)と安禄山(右)

 

遠く異朝を訪えば、秦の趙高・漢の王莽・梁の朱异・唐の禄山、これらは皆、旧主先王の政にも随わず、楽を極め、諫をも思い入れず、天下の乱れん事を悟らず、民間の愁うる所を知らざりしかば、久しからずして亡じにし者どもなり。

 ご存じ『平家物語』の冒頭である。筆者の世代では、有無を言わさず諳誦させられたもので、そのためか安禄山といえば、まずこのフレーズが思い浮かんだ。

 古典に慣れない向きには、なじみのない名前ばかりかもしれない。念のために解説を加えておくと、「異朝」の中国史上、天下大乱をもたらした叛臣のお歴々といったところ、上は紀元前の3世紀から、下は当時に近い8世紀まで、千年の長きにわたる。……

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、私たちが「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する