政治

【Analysis】“フィンランドのサッチャー”が探る倹約の限界

2024年5月11日

EU(欧州連合)への懐疑と反移民を掲げる右派ポピュリスト政党「フィン人党」党首でもある財務相の歳出削減案は、フィンランド国民の支持を得られるだろうか。増税、公共部門の雇用削減などを柱とする計画だが、今のところ同党の支持率に目立ったダメージは出ていない。

[ヘルシンキ発/ロイター]国家予算の削減を行なう前に、わざわざハサミを手にしてにこやかにポーズをとる財務大臣などまずいな見い。だが、フィンランドのリーッカ・プッラ財務相は財政赤字のカットを目的とする新たな歳出削減案を発表するに当たって、文字通りそのポーズをとった。

 財布の紐を締めることで債務を抑えようとするのは、欧州においては政治的なリスクにつながりがちだ。しかし、民族主義を標榜するフィン人党の党首でもあるプッラは、倹約家の典型ともいえるフィンランド国民が彼女の緊縮財政を支持することに賭けた。

 政敵たちは、彼女を緊縮財政の大鉈を振るった英国の故マーガレット・サッチャー首相になぞらえる。だがプッラは2月、彼女のもとに届いた贈り物の写真をSNSに投稿した。彼女の顔が描かれた、斧のかたちの木製のまな板が2枚。そして、 “さあ、切りどきだ”という言葉も記されている。

 それを見た多くの人がショックを受けた。しかしその数週間後には、彼女が率いるフィン人党の党員がSNSにべつの写真も投稿した。プッラは悪びれもせず、笑みすらたたえて大きなハサミをかまえている。……

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