持論の脱原子力発電を封印して3回目の自民党総裁選に臨む河野太郎デジタル相の“転向”は、再エネ業界や党内の再エネ推進議員にも影響を与えずにはいられない。
河野氏は8月26日の自民党総裁選出馬会見で、「これから電力需要は反転して増える。原子炉で再稼働できるものは再稼働しても、おそらく4000億kWhぐらいは足らなくなってくる。あらゆる技術に張っておかなければいけない」と述べ、再エネ業界を失望させた。
河野氏から「自民党一の脱原発男」と称賛され、前回総裁選では選対幹部も務めた側近の秋本真利衆議院議員は、洋上風力発電事業を巡る贈収賄事件で起訴され自民党を離党。河野氏が設立した再生可能エネルギーの規制緩和を議論する内閣府のタスクフォース(TF)も、関係資料に中国国営電力のロゴマークが入っていた問題で今年6月に廃止された。こうした不祥事が続いた後だけに、この見事な変わり身には「結局、見切るということか」(再エネ業界関係者)との恨み節が漏れてくる。
河野氏は所属する麻生派議員の支持を得るうえで、経済界からも評判が悪い脱原発を棚上げする必要があったとされる。つまり、決選投票を見据えた戦略だ。
小泉進次郎元環境相は「まだ筋が通っている」?
だが、財界の原発推進派も「意見を今さらころころ変えるのはどうかと思う」と冷淡だ。本日(9月6日)、総裁選出馬表明をした小泉進次郎元環境相の方が、同じ再エネ推進派でも「まだ筋が通っている」(エネルギー業界関係者)との声があるが、それは確かに頷ける。小泉元環境相は、父親の小泉純一郎元首相が政治家引退後に脱原発を推進していることから誤解されがちだが、積極的ではなくとも一貫して原発容認の姿勢を取ってきた。……