※本稿は『あのスキャンダルの裏側――「週刊新潮」が報じた事件戦後史』の一部を抜粋/編集したものです。「週刊新潮」1977年10月6日号に掲載された特集が元となっており、プライバシーへの配慮から一部は匿名となっています。また、年齢や肩書は当時のものです。
若尾さんの住むマンションで目撃された「アストンマーチン」
久方ぶりの大型恋愛ロマンスなのだそうである。いや、ひそかにそうもてはやされている。ヒーローは黒川紀章氏。日本を代表する建築家だが、むしろ一般には、NHKの解説委員や中央教育審議会のメンバーとしても知られる。ヒロインの若尾文子さんについては、断るまでもない。芸能生活二十五年のベテラン大女優だ。いずれもすでに四十を越した、それこそ「不惑の世代」に属する。ヒーローには妻子もある。しかし、二人が「熱情のキューピッド」に身をゆだねて以来、もう一年もたってしまった……。
三田の慶応義塾の裏側は、かなりの高台になっていて、昔は東京のお屋敷町の一つに数えられていたが、いまは高級マンションが林立するエキゾチックな住宅街に変貌してしまった。若尾文子さんの住むマンションもその一角にある。
もともと若尾さんは、西小山(品川区)のほうにも立派な家を持っているのだが、こちらのマンションは、一種のセカンドハウス。もっとも、最近は生活の主体をすっかりこのマンションに移したようにも見える。が、それはともかく、いつのころからか、彼女のマンションのモータープールに、日本ではめずらしい、黒の「アストンマーチン』(イギリス製)が、駐車するようになった。……