※本稿は「週刊新潮」2013年5月2日/5月9日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。
「三國さん」「あの人」「彼」と呼ぶ息子
三國連太郎さん(以下、敬称略)が急性呼吸不全で死去したのは2013年4月14日。享年90。映画界、芸能界に確固たる足跡を残しての大往生である。
翌日、長男で俳優の佐藤浩市氏(以下、敬称略)は記者たちから三國の存在について問われ、「(父親としては)ひどいよ、そりゃあ。一般論としての親子の会話っていうのは、できないです。僕と彼の間に介在したのは役者という言葉だけ」と答えていたが、興味深いのは、三國のことを「彼」と言った点。
生前から佐藤は「あの人」や「三國さん」といった呼称を使ってはいたものの、死してなお自らの実父を「彼」と表現したのである。また同日、佐藤は三國との思い出を聞かれ、役者の道に進むことを告げたシーンをこう振り返った。……