各地で展開される事態を一括りにするわけにはいかない。だが、それぞれが独立して生じているというわけでもない。相互の関連を検討すること、すなわち点をつなげることで線と捉え、さらには面に拡げていくことで混沌とした世界の実像に近づけるのではないだろうか。
そこに新たな視座を提供するのが、中東とユーラシアを一体として捉えること、すなわち「中東ユーラシア」という概念であると筆者は考える。ユーラシアだけでも広大なのに、さらに中東も加えるのかと訝しがる向きもいるだろう。そもそも広義のユーラシアには中東の大部分を締める西アジアが含まれるではないか、あるいはヨーロッパまで含めるのか、という指摘もあるかもしれない。
ここで言う「中東ユーラシア」は必ずしも固定的な地理的範囲というわけではなく、中東と、ロシア、中央アジア、コーカサス、トルコ、南アジア、中国といった国・地域を中心としたユーラシアを合わせたものだと捉えていただきたい。
中東ユーラシアにおいて注目すべきなのは、この地域における多くの国が既存の国際秩序とは一線を画した動きを取っていることだ。もちろん、だからといって国連から脱退するという話ではない。既存の国際秩序への参加は維持しつつも、その制約や限界を認識し、オルタナティブを模索しているのである。……