※本稿は「週刊新潮」2026年4月16日号に掲載された記事を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです
NATOとの“不在の同盟”の記憶は長く尾を引くだろう
私は4月1日の夜(日本時間では2日午前)、ホワイトハウスに招かれ、トランプ大統領の演説を前列で聞く機会を得ました。主なメッセージは“このイラン戦争は永遠に続くものではない”というものでした。一方で、作戦を終結させるために空爆の強化も表明しました。今後は、ホルムズ海峡を脅かすミサイルやドローンが主な攻撃対象になると見られます。また、イラン南方、オマーン沖のアラビア海には、大規模な部隊が展開される見込みです。状況に応じて、いつでも作戦を遂行できる態勢へ移行する可能性が高いと考えられます。
トランプ氏は演説の中で、イランが終戦合意に応じなければ、「発電所を一つ残らず、おそらく同時に、極めて強力に攻撃する」とも語りました。現在イランを統治している勢力に対し、最後通牒を突きつけたのです。イラン政権が残存のミサイル戦力で戦闘を継続するのであれば、米国はそれに応じて対処することになります。
演説中の「ホルムズ海峡を通じて石油を受け取っている世界中の国々は、海峡に行って石油を奪い、守り、自国のために使え」などの発言からも明らかですが、トランプ氏が欧州の同盟国などに苛立っているのはまちがいない。なにせ彼らはこの作戦に手を貸さず、米国と歩調を合わせもしなかったからです。作戦は本来、世界の安全保障に資するものです。それにもかかわらず、海峡を通るエネルギーや重要物資に深く依存する欧州やアジアの国々は、指一本動かしていない。
北大西洋条約機構(NATO)の一部加盟国に至っては、自国基地の使用すら拒みました。その結果、作戦のハードルが上がったのは確かです。この“不在の同盟”の記憶は、長く尾を引くでしょう。