※本稿は週刊新潮 2024年5月2・9日号に掲載された特集です
2023年の市場規模は6800億円
本誌(「週刊新潮」)が「トクホの大嘘」という特集記事を掲載したのは2017年のこと。トクホ(特定保健用食品)の各商品の“根拠論文”を専門家に徹底的に検証してもらったところ、看過し難い「大うそ」が次々と見つかった――というのが記事の主旨である。一方、「機能性表示食品」制度がスタートしたのはこの記事が世に出る2年前の15年。トクホと機能性表示食品の大きな違いは「国のお墨付き」が必要か否か、である。前者は国の審査が必要で販売は許可制。後者は審査不要で、届け出さえすれば企業の責任で機能をうたえる。
「トクホは曲がりなりにも製品の臨床研究が必須で、販売には消費者庁の許可が必要なため、研究・登録に数千万円単位のお金と時間がかかり、事業者としては手を出しづらかった」
そう語るのは、トクホや機能性表示食品に詳しいジャーナリストの植田武智氏。
「消費者庁としては、トクホ制度を作れば、一定のエビデンスのある健康食品はトクホの認可を取り、エビデンスの薄い健康食品が駆逐される、と考えていたのですが、そうはならなかった。トクホに登録する企業は行政が予想するよりも少なく、質の低い健康食品は減らなかったのです」……