<span>「消費減税は粗雑な手段だ」――クルーグマンが2026年の日本に送るメッセージ</span>
高市早苗総理

ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は、1990年代後半から日本を「流動性の罠」の代表例として分析し続けてきた。では、そのクルーグマン氏は2026年の日本をどう見ているのか。高市政権の産業政策や消費減税論、日銀の金融正常化をどう評価するのか。そして、人口減少や低成長をめぐる悲観論に対して、どのようなメッセージを送るのか。日本経済が歩んできた30年を振り返りながら、これからの日本に必要な政策と発想の転換について聞いた。(取材・構成 大野和基)

産業政策で危険なのは、戦略的介入が「恒久的な保護主義」へ転じること

――現在の高市早苗政権は、積極財政、安全保障投資、半導体支援、エネルギー政策などで「国家主導型」の色彩を強めています。この路線を、現代版の産業政策としてどう評価しますか。

 まず認識すべきは、産業政策に関する議論が劇的に変化したということです。私が若い頃の経済学者の間では、政府は一般的に資本配分が下手で、産業政策とは政治家が勝者と敗者を選別しようとする行為に過ぎない、というのが主流の見解でした。多くの場合、こうした懐疑的な見方は正当でした。政府はしばしば政界とのつながりが強い産業に補助金を出したり、非効率な企業を保護したり、納税者の資金を浪費したりしていたのです。

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する