産業政策で危険なのは、戦略的介入が「恒久的な保護主義」へ転じること
――現在の高市早苗政権は、積極財政、安全保障投資、半導体支援、エネルギー政策などで「国家主導型」の色彩を強めています。この路線を、現代版の産業政策としてどう評価しますか。
まず認識すべきは、産業政策に関する議論が劇的に変化したということです。私が若い頃の経済学者の間では、政府は一般的に資本配分が下手で、産業政策とは政治家が勝者と敗者を選別しようとする行為に過ぎない、というのが主流の見解でした。多くの場合、こうした懐疑的な見方は正当でした。政府はしばしば政界とのつながりが強い産業に補助金を出したり、非効率な企業を保護したり、納税者の資金を浪費したりしていたのです。