連載|政治

独裁者のビョーキ

2026年7月15日


<span>独裁者のビョーキ</span>

マトモとは思えない

 明の太祖朱元璋は貧民の生まれから身を起こして中国を統一し、モンゴル人の元王朝を駆逐して漢人王朝を再興した。ただその後は功臣を粛清し、極端な恐怖政治を敷いた。官吏たちは朝廷に出仕する際、家族と「これが今生の別れ」と覚悟を決めて家を出、夕方無事に帰宅できたら生きて帰ったことを喜び合い、生還を祝う宴を開いて涙を流したという。

 トランプ大統領は2025年10月の米中首脳会談の後で、習近平の側にいた中国高官たちを「あんなに怯えた様子の人間を見たことがない」と評したそうだ。「独裁者に怯える役人」の図柄はかの国の伝統らしい。とはいえ他人を笑ってばかりもいられない。わが国でも官僚が首相の発言に忖度して公文書を改竄したなんて話がある。「役人気質」の蔓延は民主主義国からも独裁者を生み出してしまう。

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