連載|Foresight

Vol. 178

防衛白書の公表翌日に日本を批判した金与正、「高市」政権には言及せず(2026年8月2日~8月8日)

2026年8月10日


<span>防衛白書の公表翌日に日本を批判した金与正、「高市」政権には言及せず(2026年8月2日~8月8日)</span>
金与正が言及した米比主催多国間共同訓練「バリカタン26」(防衛省・統合幕僚監部HP[https://www.mod.go.jp/js/]より)

日本が8月4日に『防衛白書2026』を閣議で了承し公表した翌5日に金与正が談話を発表した。談話は「戦犯国・日本の先制攻撃能力の保有は国際平和と安定を破壊する重大な脅威である」と題され、対抗措置として「明確な軍事的選択案を追加設定する」としている。ただし、「高市」政権への名指し非難は含まれていない。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

猛暑対策の犬肉食も健在

 北朝鮮も酷暑に見舞われている。7月30日付には、7月29日から8月4日まで中部以南の大部分の地域と北部の一部地域で猛暑警報が、7月29日から8月2日まで日本海沿いの中部の一部地域に高温警報が発令されたことについての記事が掲載されていた。

 8月2日付には「蒸し暑さが続くのに合わせて健康管理をきちんとしようとすれば」と題する記事が掲載された。「誰でも医学常識を知らなければならない」という金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の言葉が記事冒頭を飾り、3日から6日の間には各地で35度から40度の高温になることが予見されるとしたうえで、平壌(ピョンヤン)総合病院の内科副院長へのインタビュー内容を紹介するものであった。

 猛暑時の健康管理で基本となるのは「身体の熱を下げる」ことであるとして、緑豆、スイカ、ぶどう、キュウリなどが役立つとされたほか、栄養補給に良い食べ物として、犬肉のスープ、魚粥、小豆粥などが挙げられた。

 韓国では来年2月7日から食用犬の販売が全面禁止となるが、北朝鮮では犬肉(タンコギ:直訳は甘肉)食が健在である。3月27日付では、平壌の一等地に大型の犬肉料理専門食堂が新規オープンしたことが報じられ、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が自ら敷地を定めるなど指導してきたことが紹介された。最近では、7月24日付に「『全国犬肉料理コンテスト2026』開催」、26日付に「われわれの香り溢れる伝統料理・犬肉のスープ」と題する記事がそれぞれ掲載された。

 8月2日付第5面には、「人の海、笑いの海:紋繍(ムンス)プールを訪ねて」と題する記事が掲載された。2013年10月に平壌にオープンした紋繍プールが賑わっている様子を描写し、「真夏の強い日差しが照りつける時節なので、人々でいちばん混み合う場所は屋内プール」などと紹介した。

「社会主義的競争」の活性化を求める

 5日付1面トップには、「競争で前進して競争で飛躍しよう」と題する社説が掲載された。「奇跡はひとりでに起こるものではなく、集団の力が発動され、競争熱風が高まる中でのみ創造されます」との金正恩の言葉が紹介され、従来から重視されてきた「社会主義競争」をさらに活発化させることを求めるものであった。競争は、「闘争を好み、革命を好み、人より先に進もうとする負けん気の強いわが人民の情熱と気質に合った優れた闘争方式」だという。社説で触れられた「スピードや量よりも質をより重視」との言い回しは、金正恩が繰り返し訴えている方針である。

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

注目の特集

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの電子書籍

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する