やはり、と思った人は多いだろう。前米大統領ドナルド・トランプが退任当日に行った元首席戦略官スティーブ・バノンの恩赦である。
娘のイバンカを「まぬけ」と侮辱したことで、2017年夏に解任され、以後絶縁とされていたバノン。だが、トランプは敗者復活の戦いにバノンの知恵は不可欠と考えたのだろう。バノンとの「悪魔的な結託」がよみがえったことで、“トランプ運動”はどこに向かうのだろうか。
逡巡の末の決断
バノンへの恩赦は、大統領としての最後の難しい決断だった。トランプは任期切れを前にポール・マナフォート元選対本部長、マイケル・フリン元国家安全保障問題担当大統領補佐官ら忠誠を誓った側近に、次々と恩赦を与えた。娘婿の父親のチャールズ・クシュナーも含まれた。残るは大物バノンである。……