政治

軍部「新人事」と「お気に入り歌手」で体制引き締め図る金正恩

2021年8月2日


<span>軍部「新人事」と「お気に入り歌手」で体制引き締め図る金正恩</span>
金正恩党総書記(中央)を囲む北朝鮮の芸術家たち。総書記の左隣の女性が、“お気に入り”の金オクチュ氏(『労働新聞』HPより)

これまで次第に力を強めてきた人民軍の存在感低下を示す、一連の幹部人事。一方で金党総書記は、お気に入りの歌手に称号を与える――文武両面で綱紀粛正を進める北朝鮮の現状とは。

 北朝鮮の現在の内部状況は複雑だ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が6月29日の党中央委第8期第2回政治局拡大会議で、新型コロナウイルス感染防止に関する「重大事件」で軍部の中枢幹部を処分したことはすでに報告した(2021年7月12日『軍幹部の一斉処分人事断行:「コロナ禍」「食糧危機」下の北朝鮮で何が起きているのか』)。

 その後の分析で、国防相には、これまで浮沈を繰り返した李永吉(リ・ヨンギル)社会安全相(党政治局員)が就任し、社会安全相の後任には金(キム)ジョンホ元人民保安相(人民保安省は社会安全省の前身)が返り咲いたとみられることが明らかになった。

国防相は解任

 国防相だった金正官(キム・ジョングァン)氏は次帥から大将に降格され、金党総書記が故金日成(キム・イルソン)主席の命日の7月8日に錦繍山太陽宮殿を訪問した際には第4列目に立っており、国防相を解任された可能性が高かった。これに対し、李永吉氏は党政治局員クラスが並んだ第2列におり、権(クォン)ヨンジン軍総政治局長(党政治局員)と鄭京択(チョン・ギョンテク)国家保衛相(同)の間に立っていた。

 李永吉氏は今年1月に党政治局員に選出された際には、北朝鮮の警察組織のトップである社会安全相としての制服を着ていた。しかし、7月8日に錦繍山太陽宮殿を訪問した時には、肩に星4つを配した「大将」の階級章を付けた軍服姿で登場した。……

おすすめの記事

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

おすすめの動画

すべて見る
戻るボタン 次へボタン

ニュースレターを購読する

新潮QUEは、「問う力」を養っていくためのサブスクリプションサービスです。

無料登録する