ふるさと納税で全国の自治体に寄付された総額が昨年度、過去最高の6725億円となった。総務省が今年7月末に公表したもので、前年度の1.4倍とこれまでの最高額を1600億円近くも上回る金額だ。新型コロナウイルス下の「巣ごもり需要」が増え、昨年の利用者数は前年比で100万人以上増えて552万人となった。
ふるさと納税を巡っては、返礼品による自治体間の競争が過熱したため、返礼品の調達額を寄付額の3割までと規制した新制度が導入された。これに伴って2019年度分の寄付総額は減少していたが、昨年はコロナ禍もあり再度増加に転じた。インターネットで返礼品を選び受け取ることができるウェブサイトの隆盛も需要を喚起したとみられている。
「勝者なき財源の争奪戦」といわれるふるさと納税は、都市部と地方部の自治体間で「明」と「暗」をくっきりと描き出す。自治体別に見ると、寄付額が最も多かったのは、宮崎県都城市の135億2500万円、次いで北海道紋別市の133億9300万円、北海道根室市の125億4600万円と続く。前年度まで3年連続でトップだった大阪・泉佐野市は、前年度から160億円以上減って、22億4800万円となり52位にとどまった。
一方、ふるさと納税を使って住民が他の自治体に寄付をした影響で、今年度の住民税の税収が減るのは、金額が多い順に横浜市の176億9500万円、名古屋市の106億4900万円、大阪市の91億7600万円となっている。上位20の自治体に東京23区の区が八つ入っていて、ほかはいずれも政令指定都市だ。人口が多い都市部から地方へ税の流出が進んでいることが窺える。……