政治

「9.11から20年」を伝える各国論壇の深層心理(2021年9・10月ー2)

2021年10月28日

2001年9月に「われわれはみな、アメリカ人である」と宣言した『ルモンド』がいま、アメリカの「傲慢と無知の軌跡」を指摘する。『人民日報』もアメリカの挫折を大々的に特集した。これら批判的(あるいは攻撃的)議論の根底には、欧州における「戦略的自立」の希求や、「アメリカによる動乱輸出」で現代史を読み替える中国の欲望など、各国地域の深層心理も垣間見える。

2.「戦略的自立」へと向かう欧州

■ハネムーンの終わり?

 2021年8月から9月にかけて、米欧関係は摩擦や相互不信を増大させていった。十分な事前調整なくカブールからの米軍撤兵を急いだバイデン政権に対して、多大な犠牲を伴いつつアフガニスタン派兵と米軍との協力を続けてきた欧州諸国からは不満の声があがった。

 そもそもフランスは、2001年のアメリカにおける同時多発テロの直後に、もっとも迅速にアメリカへの連帯の意思を示していた。アフガニスタン戦争と、その後のアフガニスタンの安定化は、アメリカ単独で行ったのではなく、国連安保理決議に基づくNATO(北大西洋条約機構)の国際治安支援部隊(ISAF)として行ったものであった。

 それゆえに、アメリカの単独行動主義的な振る舞いに、欧州の同盟諸国は複雑な心境であった。また米軍撤退が想定外の混乱をもたらしたことで、同盟国アメリカに対する信頼が大きく損なわれる結果となり、欧州の自立の必要性という認識に帰結している。こうした一連の出来事が「米国第一主義」を掲げるドナルド・トランプ前大統領ではなく、同盟国との絆を修復することを公約にしてきたバイデン大統領の下で行われたことは、大きな失望であった。……

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