政治

「ポーランド離脱」も現実味、「ポスト・メルケル」EUの動揺

2021年11月18日


<span>「ポーランド離脱」も現実味、「ポスト・メルケル」EUの動揺</span>
ワルシャワの最高裁判所の前には、ナチス・ドイツの圧制に対して蜂起したポーランド市民を称える慰霊碑がある(筆者撮影)

「Brexit(英国のEU離脱)の次は、Polexit(ポーランドのEU離脱)か」。欧州の論壇や政界では、こんな言葉が囁かれている。「三権分立と司法の独立」というEUの根本原則をめぐる両者の対立は激化する一方で、袋小路からの出口は当分見つかりそうにない。

 ポーランドに科せられた1日あたり1億3000万円の罰金

 EU(欧州連合)とポーランドの間の対立を決定的にしたのは、10月27日に欧州司法裁判所が下した判決だ。同裁判所は、「ポーランド政府の司法制度改革は、EUの根本原則である三権分立と司法の独立に反する」として、同国政府に対して1日あたり100万ユーロ(1億3000万円・1ユーロ=130円換算)の罰金の支払いを命じた。

 EU法は、全ての加盟国に対して司法の独立を保障することを義務付けている。だがポーランドの政権を握る右派ナショナリスト政党「法と正義(PiS)」は、2015年に憲法裁判所の権限を制約する「司法改革」に着手して以来、EUの原則に反する政策を取ってきた。

 特にEUを驚かせたのは、ポーランド政府が2018年に最高裁判所に「懲戒部門」を設置したことだ。

 懲戒部門は、いわばPiSが裁判官を監視する見張り役だ。たとえば政府に対して批判的な態度を持つ裁判官が、政府にとって都合の悪い判決を下した場合などに、裁判官に対して減給、罷免などの懲戒措置を実施できる。裁判官は、検察庁による刑事訴追から庇護されているが、懲戒部門は裁判官に対する庇護を無効化することもできる。……

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