政治

負ければ監獄行き?「イカゲーム」化した韓国大統領選挙(下)

2021年11月23日

「勝てば官軍」どころか「勝者独食」なのが、韓国政治の実情だ。疑惑だらけの二大候補から選ぶ大統領は「次善」ならぬ「次悪」に過ぎない――有権者のそんな諦念を覆すことができるのか。

 与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補には、城南市長時代の都市開発に絡む背任疑惑が重くのしかかっている。では、最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル)候補の場合はどうだろう。

尹氏には「告発教唆」と「親族」の疑惑

 韓国のインターネットメディア『ニュースバース』は9月2日、最高検察庁が昨年4月15日の総選挙の直前の4月3日に、盧武鉉(ノ・ムヒョン)財団の柳時敏(ユ・シミン)理事長など与党側の人たちの名誉毀損容疑が書き込まれた告発状を、当時の野党「未来統合党」(現「国民の党」の前身)の金雄(キム・ユン)候補(現「国民の力」議員)に渡し、告訴をするよう唆したと報じた。

「告発状」の「告発人」は空欄で、「被害者」は尹錫悦氏とその妻などだった。告発状を送ったのは孫準晟(ソン・ジュンソン)大検察庁捜査情報政策官だとされた。捜査情報政策官は犯罪事実を調査し、検事総長に報告する職責で、尹錫悦検事総長に極めて近い部下だった。また金雄議員もやはり検事出身で、孫準晟政策官とは司法研修院の同期という関係だった。

 これが事実であれば、政治的な中立を守らなければならない検察当局が野党を使って与党関係者への告発を唆すという、あってはならない事件である。このため、韓国のメディアも一斉に追跡報道を展開した。……

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