政治

第2次岸田内閣「公明・高市・小石河」全方位対応で「ガラスの政権内バランス」

2021年11月24日

薄氷を踏みながら多くの接戦・劣勢選挙区を拾った“大勝”は、公明党の存在抜きにはあり得なかった。一方で、党内には高市・安倍の保守派圧力、そして国民人気は高い「小石河連合」も無視できない。「オールラインナップ」の政策には、岸田首相の党内基盤の弱さが映されている。

   第2次内閣組閣を終えた今月10日夜、岸田文雄首相は官邸で約1時間に及ぶ記者会見に臨んだ。子育て世帯への10万円相当給付などの福祉から新型コロナウイルス対策、防衛力強化、憲法改正まで言及。「左から右まで」幅広く取り揃えた「オールラインナップ」の内容には、その背後に様々な思惑や力学が透けて見える。

   連立を組む公明党への配慮、次期宰相の座を窺う高市早苗・自民党政調会長といったライバルの懐柔と牽制、安倍晋三元首相らのつなぎ止め――。岸田首相が長期政権を手にするには来年の参院選勝利が必須だが、それまで均衡を保てるか。9月の総裁選を争った河野太郎・自民党広報本部長や、河野氏とタッグを組んだ石破茂元幹事長、小泉進次郞前環境相を指す非主流派「小石河連合」への有権者の好感度も健在だ。

政調会から仕掛けられる「政争」

 会見ではまず「数十兆円規模の経済対策」の中身、特に「年収960万円を超える世帯以外への18歳以下の子ども1人当たり10万円相当の支給」が注目された。公明党が衆院選で「一律支給」を打ち出したのに対し、自民は所得制限を設ける方向で調整を進めたからだ。このプランは19日に自民党案の形で決着するが、ある政府関係者によれば、岸田首相は当初、所得制限なしも選択肢に入れたという。理由は公明党への配慮に他ならない。

   衆院選で接戦・劣勢と判定された小選挙区の多くで自民候補が競り勝てたのは、選挙戦終盤、自民票の上積みにフル回転した公明党の存在があったからだ。与党筋の一人は「ある小選挙区では間違いなく劣勢と思っていたのに、結果は逆転勝利で驚いた。公明党支持の厚い地域なので、公明票が貢献したに違いない」と話す。こうした事情から、政府、自民党の一部には公明案の「丸吞み」もやむなしとの雰囲気があった。……

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