政治

もはや米国の「最も重要な地域」ではない欧州が目指す「戦略的自律」

2021年11月25日

欧州にとって「戦略的自律」は、米欧が共に行動できない可能性が高まるほど具体性と必要性を増して行く。中国シフトを進める米国の欧州へのコミットメントが低下すれば、従来の構図が規定してきた“対米依存”のコストとベネフィットもまた変化する。

 欧州で「戦略的自律(strategic autonomy)」に関する議論が盛んだ。それが何であるかについて単一の定義は存在しないものの、本質的に意味されるのは、戦略的に重要な問題に関する選択を、自らの利益と価値に基づき、自ら下せる状態のことである。

 その過程や結果において、「誰かから自立・独立すること(independence)」が目的なのではない。自律的に決定できることが重要であり、その選択は、例えば米国と同じになることもあれば、異なることもある。それを自ら決定するというプロセスが重要なのだといえる。

 今日の欧州で戦略的自律を最も強く推進しようとしているエマニュエル・マクロン仏大統領は、その本質を、「我々のルールを我々自身で選択すること」だと説明している。

 理屈で説明しようとすればそのようになるが、しかし、現実の政治の世界ではそこまできれいに整理できるわけではない。欧州の政治・国際関係において、戦略的自律はかなり厄介な概念であるのが現実だ。米国からの自立が叫ばれることもある。それゆえ戦略的自律への異論・反論も白熱化する。……

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