[ロイター]アメリカによる対ベネズエラ制裁の回避に使用されたロシアの石油会社Roszarubezhneftが、今度はウクライナ侵攻による欧米の対ロ制裁で窮地に陥っているようだ。Roszarubezhneftは2020年に設立され、その直後にロシア国営石油大手ロスネフチのベネズエラ事業を買収した。これは、ロスネフチのベネズエラ産原油取引を行う2つの子会社に対し、米国が制裁を科したことに対応した動きと見られている。
ベネズエラの数少ない同盟国の一つであるロシアは、2019年に開始された米国の制裁にもかかわらず、ベネズエラの国営石油会社PDVSAの生産維持を助けてきた。Roszarubezhneftの買収した5つのJV(ジョイント・ベンチャー)はベネズエラで日量約12万5000バレルの原油を生産し、ロシア人と現地従業員約200人を雇用するとされる。これは、ベネズエラの先月の生産量、日量78万8000バレルの約16%に相当する。
ロイターの入手した複数の内部文書によると、Roszarubezhneftは「グループ企業の活動の妨害や資産の没収」を避けるために、ベネズエラの資産の所有権を同社欧州部門からロシアの別の会社に移そうとしている。ただし、資産譲渡の時期や、欧州部門がどこで登記されているのかは不明だ。
内部文書からは、対ロ制裁の煽りを受け、Roszarubezhneftのベネズエラ事業が深刻なハードカレンシー(米ドルなど国際決済通貨)不足に陥っていることが窺える。南米の労働者や取引先に対しては、ルーブルやボリバル建てで支払わなければならない状況だ。ドル経済が浸透しているベネズエラで、ルーブルで給与を支払われたロシア人労働者が、ドルやユーロへの両替で苦労するのは間違いない。正規の外国為替取引業者が存在していないからである。……