[ハーグ発(ロイター)]アメリカとウクライナから、ウクライナにおけるロシアの「ジェノサイド(集団虐殺)」の告発が続く。その一方で、究極の戦争犯罪とも言うべき「ジェノサイド」には厳格な法的定義があり、ホロコーストの後、人道法にこの概念が明記されて以降、裁判で「ジェノサイド」が認定されたケースは、数えるほどしかない。
ジェノサイドとは何か
1948年に制定されたジェノサイド条約は、集団虐殺を「国や民族、人種、あるいは宗教的集団などを全部、あるいは一部破壊する意図をもって」行われる犯罪と定義している。
これまでに国際法廷の戸口にたどり着いたジェノサイドはわずか3例に止まる。170万人が犠牲になったとされるカンボジアのクメール・ルージュによる1970年代の大量殺人のうち、少数派チャム族とベトナム人の殺戮、80万人が犠牲となった1994年のルワンダにおけるツチ族虐殺、そして1995年にボスニア・ヘルツェゴビナでイスラム教の男と少年およそ8000人が殺されたスレブレニツァの虐殺である。
ジェノサイドを構成する犯罪行為には、特定のグループの人々を殺害すること、心身に深刻なダメージを与えること、そのグループを壊滅させる状況を周到に作り出すこと、出生を妨げること、あるいは子供たちを強制的に他の集団に帰属させることなどが含まれる。……