アジア・太平洋において自由や民主主義、法の支配といった価値観を共有する日米豪印4カ国「クアッド」の首脳会談が5月24日に東京で開催された。海洋進出や軍拡を加速させる中国ににらみを利かせるとともに、ロシアのウクライナ侵攻という新たな問題への対処も迫られた4カ国だったが、会議前日に就任したばかりのアンソニー・アルバニージー豪首相を盛り立て、「対中国」ではしっかりと結束をアピールすることができた。
経済・防衛で関係を深めるインドとオーストラリア
両国は2006年に「防衛協力覚書」に調印、2009年には「安保協力に関する共同宣言」を出している。クアッドと同じ日米豪印による合同軍事訓練「マラバール」などを通じてこれまでに10回の2国間演習、17回の多国間演習を実施しており、相互の兵員派遣や兵器の共同開発・生産にも乗り出した。
クアッド構想が具体化してからは活発に実務レベルや外相間の協議を重ね、2022年2月のクアッド外相会議に際して行われた共同記者会見では、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相が「(印豪は)信頼できる強靱なサプライチェーン構築によって包括的な成長を目指す」と明言すれば、豪州のマリーズ・ペイン外相(当時)も「クアッドは何者にも敵対しない前向きなアジェンダである」と強調した。
ナレンドラ・モディ首相は今回のクアッド首脳会談の同日、さっそくアルバニージー豪首相と初の首脳会談に臨み、農業や再エネ、防衛、テクノロジー、貿易・投資など幅広い分野での協力を確認した。両国はG20や東アジアサミットの枠組みでも関係強化を進めており、外相会談の毎年開催や、外相+防衛相のいわゆる「2+2」協議の隔年開催でも合意している。……