共同声明に盛り込まれた「韓半島を越えて」という文言
米韓首脳会談の共同声明には「グローバルな包括的戦略同盟:韓(朝鮮)半島を越えて」という章が設けられた。前述のように米韓間の「包括的戦略同盟」は既に確認された関係であり、これをさらにバージョンアップさせるために「グローバルな」という形容詞と「朝鮮半島を越えて」という言葉が加えられている。尹錫悦大統領の「より大きな地域的・世界的責任を受け入れるというイニシアティブ」の表明であり、気候変動問題、感染症対策、健康保健、インターネットの未来のための開かれた「ネットワークのためのネットワーク」育成、5Gおよび6G、サイバーセキュリティなどの協力を進めていくとされた。
1年前の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との共同声明で、首脳会談の共同声明としては初めて言及した台湾問題について、今回も両首脳は「台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性」を改めて表明した。
さらに「平和と安定、合法的で妨げられない通商、及び航行と上空飛行の自由を含む、国際法の尊重を維持し、南シナ海及びそれ以外の海域を含め、それらを合法的に利用することへのコミットメント」も再確認している。中国という単語はないが、中国を意識した言及だ。これは本来ならば、中国の大きな反発を生む内容だが、既に文在寅大統領が1年前に共同声明に盛り込んでいることもあり、大きな話題にはならなかった。
韓国の国力向上にともない、米韓関係が単に朝鮮半島の枠内の問題のための同盟ではなく、地域を越えたグローバルな問題についても協力して行くという共同声明全体の基調が注目される。章のタイトルに「韓(朝鮮)半島を越えて」という文言が挿入されたのは意味があるように思える。1年前の共同声明でも「韓米関係の重要性は、韓半島をはるかに越えたもので」という表現があったが、今回はそれを格上げしたような文章構成になっている。……