政治

韓国政治に高まる「86世代勇退論」と「進歩」の黄昏

2022年6月20日

大統領選で敗れた「共に民主党」は統一地方選でも大敗、韓国の進歩勢力退潮が一層顕著になっている。背景には、80年代に軍政という既得権の破壊者として登場した86世代が、いまや既得権者として指弾される現実がある。現代の韓国社会が抱える格差と差別、不平等は「86世代が想像すらできなかった」との声に、進歩勢力は応えることができるのか。

「進歩」が揺らいでいる。選挙に負け続けているのである。

   なぜ負けたのか。責任は誰にあるのか。この議論の中心には、今や韓国政治の主流となった「86世代(60年代生まれで、80年代に大学に入学した世代)」の政治がある。進歩政党の立て直しを任された20代の若い女性が打ち出した「86世代勇退論」が様々な論争を引き起こしている。

完全な敗北、たった2年で急変した勢力図

 今年3月に行われた大統領選挙の直後、「運動圏(学生運動世代)」が「素人」に負けてしまったと進歩政党支持者の一人が呟いた。

 1980年代、軍事政権に抵抗し、政治の民主化を成し遂げた成果と経験を共有する86世代が率いる進歩政党の候補が、検察出身で政治経験がない新人政治家に0.73ポイント差で敗北した。進歩政党支持者の中には、大統領選挙の結果を受け入れられず「悔しくて眠れない」「元気が出ない。辛い」「理由もなく泣きたくなる」といった心理状態をSNSに書き込む人をよく目にする。PTSD=心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder)ではなく、“PESD=選挙後ストレス障害(Post-Election Stress Disorder)”という社会現象も現れた。進歩政党支持者にとっては3月の大統領選挙の結果は衝撃であった。……

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