この夏の霞が関の主要官庁のトップ人事が出そろった。
財務省では、矢野康治事務次官(59歳/1985年大蔵省入省)が退任し、茶谷栄治氏(59/86年大蔵入省)が主計局長から昇格した。主計局長の後任には新川浩嗣官房長(59/87年大蔵入省)が就き、順当なトップ交代となった。官房長官の秘書官を長年務め、主税局畑だった矢野氏の事務次官起用は、省内で「秘書官を重用した安倍・菅政権の極端な人事政策の遺物」といわれていた。
また、急激な円安が進む中で、海外通貨当局との調整などを担う神田真人財務官(57/87年大蔵入省)は留任。省内の要役である官房長には青木孝徳主税局審議官(55/89年大蔵入省)、総括審議官には奥達雄主計局次長(54/90年大蔵入省)、理財局長には斎藤通雄東海財務局長(59/87年大蔵入省)がそれぞれ起用され、住沢整主税局長(56/88年大蔵入省)と三村淳国際局長(55/89年大蔵入省)は留任。国税庁長官には阪田渉関税局長(57/88年大蔵入省)が昇格した。
このトップ人事に戦々恐々としているのが、厚生労働省や医療界だ。茶谷事務次官と新川主計局長は、ともに主計局主計官時代から厚生労働関係予算の編成作業を直接手掛けるなど、医療保険制度改革や薬価・診療報酬改定で政策判断に関わってきたからだ。茶谷事務次官は、小泉内閣時代には、被用者保険の患者窓口負担3割引き上げを含む高齢者医療制度改革や、史上初となる2002年度診療報酬本体マイナス改定などを断行したされる。両氏は厚労行政に精通しているだけに、手ごわい相手になることは間違いない。……